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会社の朝礼にも使える寓話から学べる教訓

 世界中の寓話を紹介していて、そこから学べる人生や仕事の教訓を著者の解釈で書かれている本です。会社の朝礼や学校の授業でも使えて、寓話という物語から抽出される真理には、はっと気付かされることも多かったです。


ものの見方が変わる 座右の寓話 | 戸田 智弘 |本 | 通販 | Amazon

個人的に印象に残った寓話とその教訓を紹介していきます。

アリとセミ

 「アリとセミ」という話があります。これは「アリとキリギリス」の原型となっている話で、物語の内容はキリギリスがセミになっているだけです。アリは冬に備え、夏から懸命に働く。セミは夏を謳歌して冬には食べ物が無くなり、アリに食料を分けてもらうようにお願いする。これは、勤勉なアリと怠慢で愚かなセミと捉えることができます。しかし、逆の教訓もあり、

アリはひたすら忙しそうに働き、自分だけ豊かになろうとする自己中心的な存在で、将来を憂いて今をないがしろにするという悪い例である。反面、セミは、芸術を愛し、生きること自体を楽しむ存在という良い例である。

 確かに将来ばかり憂いて、この瞬間しかない今をないがしろにするのは非常にもったいない。かと言って、今しか考えないというのも極端に走っているようにも思いますが。

 結局は良い悪いというのは国や時代、文化によって違ってくるわけで、絶対的な価値観は存在しないのです。アリの生き方を選択するのか、セミの生き方を選択するのか、人の生き方というのは千差万別なのです。

盲亀浮木

 「お釈迦様が弟子に、目の見えない亀が海中から浮かび上がった時に、ちょうど、流れてきた穴のあいた丸太に、頭がすっぽりと入ってしまうことがあるのかと問う。弟子はあり得ないというが…。」

 この話は、広い海で亀の頭が丸太の穴に、たまたま入ってしまう確率より、人間に生まれてくる確率は遥かに低いと言っています。人間に生まれてくる為には、その土台となる地球が必要で、地球が存在する為には宇宙が存在しなければなりません。宇宙が存在するのはビッグバンが起こったからです。どれかが欠けても私達は人間として生まれてくることはなかったでしょう。とてつもなく稀有なことです。

 人間として存在していることは、有ることが難しい、「有り難い(ありがたい)」ことなのです。

ましての翁

 「何事につけて「まして、まして」という、ましての翁と呼ばれる人物がいました。その翁は、暑い日には、人間の世界でもこんなに暑いのに、まして灼熱地獄ではどれくらい暑いか計り知れないと言います。寒い日には、人間の世界でもこんなに寒いのに、まして八寒地獄ではどれくらい寒いか計り知れないと言います。これくらいの暑さや寒さは我慢しなければならないと語っています。」

 不平不満ばかりを言う人間は、相手に求める期待が高い人です。相手が期待したことよりも低い結果であれば、不平不満を言うのです。しかし、そんな不平不満ばかり言う人は、それほど完璧な人間なのでしょうか?皆、一長一短を持ち合わせている不完全な人間です。「まあ、こんなものだろう。」と、ほどほどに期待するようにしてはどうでしょうか。

まとめ

 まだまだ沢山の寓話が載っています。人生のヒントになる話ばかりですので、ぜひ読んでみて下さい。


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