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人類初の実用的なタイムマシンの原理 『タイム・トラベラー』

 幼いころに病気で亡くした父親に会う為にタイムマシンの研究をしているという、ロナルド・L・マレット博士の自伝本です。

 

タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録 | ロナルド・L・マレット, ブルース・ヘンダーソン, 竹内 薫, P.M.Ken, 岡 由実 |本 | 通販 | Amazon

 

  SFでは定番のタイムトラベル。それ故か実現は夢のまた夢のような気がします。しかし、現実的で実用可能なタイムマシンの理論は存在しているのです。

 マレット博士のタイムマシン理論はアインシュタイン相対性理論という誰しもが認める理論を元に導き出されています。数あるタイムマシン理論の中で最も現実的な理論と言われています。

タイムトラベルは可能なのか?

 地球を含め、物質は重力場(重力が作用する空間)を形成します。一般相対性理論では物質だけではなく、光も重力の原因になるというのです。(これは知らなかったので驚きました。)

 その光を循環させることによって、空間は渦を巻く。カップに入ったコーヒーをグルグルとかき混ぜるイメージです。そうすることによって時間も渦を巻きます。その結果、閉じた時間のループが生成されると主張しています。「過去→現在→未来」と時間が流れていると、未来と過去がくっつくイメージでしょうか。

 そしてこの理論ではタイムマシンで未来人がやってこない理由にも納得ができます。ただ、親殺しのパラドックスは解決できなさそうです。

黒人差別を受けてきた過去

 本書ではマレット博士の幼少期からの半生が書かれているのですが、1950年代や60年代くらいのアメリカは黒人差別がひどかったのでしょうか?白人少年からの差別的な発言や、友人宅で友人の父親の態度が冷たかったり、結婚時にもひと悶着あったりしたそうです。

精神的な不安定さ

 マレット博士は父親を亡くしてから、かなりふさぎ込んでしまったようです。友人もほどんどおらず、ひたすら本を読んていました。そして、たまたま読んでいた本にタイムマシンのことが書かれていて興味を惹かれたようです。そこから物理や数学を本格的に学び、ついには大学の教授にまでなりました。

 けれども、詳しくは本書に書かれていますが、途中で勉強のやる気を失せてしまったり、精神的な病に罹ったりと苦労も絶えない人生なんですね。

現在のマレット博士

 マレット博士は、1945年生まれ。現在は高齢になっていますが研究の方はどうなっているのでしょうか?ネットで調べてみると

 

CNN.co.jp : タイムトラベル実現に捧げる人生、物理学者R・L・マレット氏に聞く

タイムマシンは造れるのか 科学者たちの挑戦 - BBCニュース

 

近年のニュースではこれくらいですね。

動画も見つけました。

www.youtube.com